部門統括 / 2006 年入社
菅野 幸子SACHIKO SUGANO
私はもともとインテリアデザイン事務所に勤めた後に、街づくりをプロデュースする会社でデザインや業態開発などの様々な経験をさせていただきました。その時に感じたのは、素敵なコンセプトや場をつくっても、そこに本来の賑わいを生むためには良いお店などがなければ意味が無い、人が集ういい街にはなっていかないということでした。そんな時に出会ったのが代表の横川です。当時、彼から聞いた《一軒のちから》の話が今でも心に残っています。「一軒の素敵なお店があると、まわりにまた素敵なお店が集まる。素敵なお店が増えれば、今度は人が集まる。そうやって、いい街ができていく。私たちは、一軒の店の力を大切にして、いつかは街づくりをしていく会社になりたい」という話でした。これは、私が商業施設のデザインを手がけながら、本質として思い描いていたことと驚くほどぴったり一致。まさにやりたかったことができるのではと心躍らせ、ここで働くことを決めたのです。それから今日まで、ブランドらしさはどう表現すると伝わるのかを考え続けた10年でした。
2003年にはじまった日本のDEAN & DELUCAは、実ははじめは思うようにいきませんでした。私が合流した2006年は、まさにその再建まっただ中。ブランドの価値や大切にするべき部分はなんなのか。ルーツを知るために、社長の横川は創業者であるデルーカ氏やそのパートナーたちを訪ねてニューヨークへ足を運びました。その何十時間分の膨大な話をまとめてブランドを明文化するのが、私のはじめての仕事でした。地道な翻訳からひとつずつ言葉が明らかになっていくにつれて、私の頭を駆け巡ったのは言い表せないほどの共感と感動。大切にしなければいけない考え方が、今まで私自身が大切にしてきた思想と絡み合い、このブランドを本当に世の中に伝えていきたい、伝えていかなきゃと思えたのです。そして生まれたのが、DEAN & DELUCAの考えの根本となっている“LIVING WITH FOOD”という言葉。今もブランドの大切なフィロソフィになっています。