今回で6回目を迎える嘉手納重広の個展 RAW POWER を、CIBONE CASEにて開催いたします。
嘉手納との個展の始まりはいつも、工房に赴き、作業台に散りばらめられた木や金属のかけらを共に組み合わせていくところから。
木工という手仕事による業としての仕事に、マグネットといういわゆる科学原理を組み合わせてできる作品は、そのどちらが無理に作用しても嘉手納の作品としては完成することはなく、どちらかに寄りかかることも、望まれません。そして、彼の持つ、主に磁石を用いるという行為は、手に取る人々に大いなる余白と可能性を預ける、いうなれば未完成の完成体でもあります。
彼は木工作家であると同時に、完璧な”木工作家”になってはいけないという状況に身を置いて作品を制作してきたのです。